ISSEKI

「生きてよかった」を追求中。本・認知行動療法・プログラミング(学習)について発信します。

認知行動療法で「生き方」を変える! 学び【8】先のばし対策のための「とりあえず」精神:①考え過ぎず②無理のない範囲で動く

 

本記事は、筆者が認知行動療法のカウンセリング(120時間以上)で得てきた「学び」を、整理・凝縮してまとめたものです。

 

「自分を変えたい」と漠然と(または真剣に)思ったことのある方へ!

生きづらさを解消し、豊かに生きるための一助となれれば幸いです。

 

【注意】

以下は個人的なカウンセリング記録のノートを元にまとめたものです。筆者は「認知行動療法」を専門的に学んだわけではなく、正確な解釈をし損ねている恐れもあります。あくまで「個人的な知見」「ご参考まで」ということでお願い致します。 

 

目次

 

【本記事のポイント】 

  • 「先のばしグセ」の対処法は、①考え過ぎず、②無理のない範囲(自分の不安が40%以下)で取り組むこと、つまりは「とりあえず」精神で動くこと
  • 「とりあえずで行動」することで、「先のばし」の主な原因である「面倒」「不安」といった「マイナスの感情・気分」がつくられることを防いだり、許容範囲まで抑えたりすることが着実にできる
  • 「完璧」は求め始めるとキリがないので、「完璧主義」は「明確な基準・目標があるとき」や「自分が『やりたい』と思うとき」にだけ使う(使いどころを見極める)
  • 「とりあえず」で行動することが有効な理由:①やらないよりは「やる」ほうが前進できる ②心身ともにリスクを抑えて継続するには「それ以外にない」 ③「先のばし」や「無理してやる」よりも「楽」で「楽しい」
  • 時間もエネルギーも「有限」なので、「とりあえずで行動」と「休息」のバランスを意識する。人と比べず「自分のペース」でやっていく

 

1. はじめに

 

「認知行動療法」シリーズ6回目までは、カウンセリング初期から繰り返し説明され、学んでいた基本的な内容を中心にまとめてきました。

 

そして前回(7回目)の記事からは、「生きること自体が辛い」というマイナス状態から脱し、「就活」や「ブログ」といった「行動」や「挑戦」を始める(ことに二の足を踏む)後半の時期に学んだことを取り上げています。

 

同じく実践編となる今回のテーマは、「『先のばしグセ』の対処法」です。

 

*これまでの記事はこちら!

【1】大原則は「現実思考」。それを磨き続けよう

【2】カギを握るのは「自分の解釈」。感情・気分が生まれるメカニズム

【3】「解釈を変える」2つのハードル。対抗策:①自問する ②クセづける

【4】幸せの極意:「現実思考」をベースに「自分の本心」に従う(自分本位で生きる)

【5】否定的な意見は防げない。「人の目」は「相手」と「場面」に応じて気にする

【6】「自信」をつける方法:最も妥当でブレにくい「公正な自己評価」を積み重ねる

【7】「大失敗」を防ぐために「小さい失敗」と改善をする

 

 

2. 「先のばし」の主な原因2つと「とりあえず」の効能

 

「先のばしグセ」の対処法は、ざっくり言うと以下です。

 

  • 「とりあえず」精神で、行動を始めてしまうこと

 

この「とりあえず」精神とは、具体的には以下2点を指します。

 

  1. 考え過ぎずに(動く)
  2. 無理のない範囲で(動く)

 

「とりあえず」精神が効果的なのは、「先のばし」の主な原因である、以下のような「マイナスの感情・気分」がつくられることを防いだり、許容範囲まで抑えたりすることが着実にできるためです。

 

  1. 面倒
  2. 不安・恐怖

 

それぞれ、詳しく説明していきます。

 

 

原因①面倒 → 考え過ぎずに「とりあえず」動く

 

先のばしの主な原因の一つは、「面倒くさい」「気が重い」といった「マイナスの感情・気分」です。

 

これらに対して「とりあえず」精神が有効な理由は、あれこれ考え過ぎてしまう「前に」行動を起こすことで、意識が行動そのものに集中し、「面倒」と思う余地をなくすことができるためです。

 

つくられる「マイナスの感情・気分」が少ない行動であれば、自然と取り組みやすくもなります。

「面倒くさい」「気が重い」と思考をめぐらせる「前に」動き出してしまうことで、行動自体に注意をそらし、「先のばし」を予防する、という理屈です。

 

たとえば、外出前に「行こうか、やめようか」と悩んでしまいそうな場面では、それ以上あれこれ考え込むより「とりあえず」で動く。

「とりあえず着替えちゃおう」「支度してからまた考えよう」という発想で、ひとまず行動に移す。

その結果、「行く前は面倒だったけど、行ってみたら楽しかった」となる可能性は十分にあります(私の経験上は、よくあります)。

 

「面倒」と思う前に、考え過ぎずに「とりあえず」で動く。

補足ですが、これは「考え無しに、とにかく動く」という意味ではありません。

行動の妥当性や見通し・リスクなど、最低限のことを「現実思考」で考えることは必要ですが、不要な「マイナスの感情・気分」をつくってしまうような偏った(現実思考ではない)考えに有限の「時間」と「エネルギー」を使うことは避ける、つまり考え過ぎない」ということです。

 

*「現実思考」について、詳しくはこちら!

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原因②不安・恐れ → 無理のない範囲で「とりあえず」動く

 

「面倒くさい」「気が重い」のほか、「不安」や「恐怖」といった「マイナスの感情・気分」も、先のばしの主な原因の一つです。

 

これらに対しても「とりあえず」精神が有効な理由は、「そのときの自分」にとって無理のない行動を想定することで、「不安」や「恐怖」を許容範囲内に抑え、行動に移りやすくすることができるためです。

 

「とりあえず」と思うからには、前提として、「そのときの自分」にとって取り組みやすい(無理のない)行動である必要があります。

「無理のない」の行動目標であれば、「不安」や「恐怖」といった「マイナスの感情・気分」も自然と制限され、抵抗感が少なくなるため行動を始めやすい、つまり「先のばし」が予防できる、という理屈です。

 

たとえば私の場合、「ブログを始める」にあたっては、「『はてなブログ』のホームページをチラッとでもいいから確認する」「ブログ名をぼんやり考える」といった、小さな行動から取り組みました。

また、「毎日1記事を投稿する」という野心的な目標の達成が難しいとわかったときには、「とりあえず次の1記事を」とハードルを大幅に下げました。

 

大切なのは、「そのときの自分」にとって「無理のない」行動を想定すること。

「無理のない」の基準は、「自分の不安が40%以下」であることです。

 

つくられる「マイナスの感情・気分」が40%を超えた場合、無理をする(負担が大きい)ために、体調やメンタルを崩しかねません。

 

「客観的にはどうか」「人と比べてどうか」などと考える必要はありません。

他人にとっては大したことがなく、自分でも頭ではそうとわかっているようなことでも、「自分の不安が40%を超える」のなら、「とりあえず」と言えるくらいの小さな行動目標に切り替える。そのようにして「自分のペースでやっていく」ことが重要です。

 

以下は、目標設定に関連する先生の言葉です。

挑戦やトラウマ治療には「段階的曝露」が重要です。

一番に考えるべきは、自分が感じる「不安」が「40%以下」であることです。

 

*「無理のない」目標設定の大切さ(段階的曝露)については、前回記事の「③『こうあるべき』で高すぎる目標を設定している」にて詳しく説明しています!

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補足:「完璧主義」は「使いどころ」を見極める

 

先のばしの一因としては、「完璧主義」も挙げられるかと思います。

以下のような「マイナスの感情・気分」から、行動に移すことをためらう恐れがあるためです。

 

  • (完璧に)できないから
  • (完璧と思えるまで取り組むのが)面倒だから

 

この「完璧主義」について、先生の考えは以下です。

 

①「完璧」は、言葉の上でしか存在しない

「完璧」の明確な定義がないために、「欠点」や「抜け漏れ」はどこまでいっても存在する。このため「完璧」を追求するとキリがない。心身のエネルギーを激しく消耗し、最終的には「継続」できなくなってしまう。仮に自分が「完璧だ」と思ったとしても、そうは思わない人も「確実に」存在するため、見方によっては「自己満足」に過ぎなくなってしまう

 

②完璧主義は、一概に「悪い」ものではない

「完璧主義」で取り組めば、「成果物の品質アップ」や「自己成長」につながる可能性がある。そのため必ずしも「悪い」「避けるべき」ものではないが、①の理由から心身を消耗するリスクがあるため「普段使い」としては見合わない。品質の向上や自己成長には「継続」も不可欠なので、不必要な場面で限りある「時間」や「エネルギー」を使ってしまうことは賢明ではない。

 

③完璧主義は、「使いどころ」を見極めることが大切

基本的に、出来栄えの判断は「完璧主義」からではなく「公正な自己評価」で行う。「完璧主義」を使うのは、以下のような場面だけにする。またその場合にも、体調やメンタルを崩すリスクを抑えるために、つくられる「マイナスの感情・気分」が40%を超えないように注意すること。

  1. 明確な基準・目標があるとき
  2. 自分が「やりたい」と思うとき

 

*「現実思考」を前提とする「公正な自己評価」については、以下の記事にて詳しく説明しています。

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*「完璧主義は『使いどころ』を見極める」というある意味でドライな考え方は、「『すべての人』の目ではなく『重要な人』の目だけを気にする」という以下の記事の内容と共通しています。

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以上のように、「完璧主義」が有効な場面は限られるので、「使いどころ」をよくよく見極めることが必要です。

 

以下は私の経験ですが、たとえば「情報を集めてダイエットする」と心に決めても、「完璧な」ダイエット法を探し求めて情報収集を続けていては、いつまでも実際の行動には移れません。

「ブログ」も同様で、「完璧な」記事に仕上げようとして奮闘しても、もっといい「まとめ方」「表現」「タイトル案」などは、明確な基準がないためキリなく挙げられます。

 

「品質」や「完成度」はもちろん重要ですが、そのために行動を先にのばし、「マイナスの感情・気分」をつくるリスクを上げてしまっては「大損」です。

 

「これならできそうだし、効果もありそう」と思ったダイエット法を「とりあえず」やってみる。自分が「よい」と思ったら、その内容で記事を公開する。

不要な「マイナスの感情・気分」をつくらないために、「とりあえず」で行動することが大切です。

 

*余談ですが、記事であれ料理であれ、満足ではないものの「とりあえず」で完成させてからしばらくすると「意外と満足」しているといった経験が私には多々あります。出来栄えへの期待値が高かったり、欠点に注目し過ぎたりしていたところが、時間を置くことで視野が広がり、気にならなくなるということでしょうか。

 

 

3. 「とりあえず」で行動することが有効な理由

 

上記では、先のばしの主な原因として「面倒」と「不安」の2点を挙げ、その対処法としての「とりあえず」精神を「考え過ぎない」と「無理のない範囲で」の同じく2点に分けて説明しました。

 

実際には、「考え過ぎない」と「無理のない範囲で」は、それぞれ「面倒」と「不安」のどちらにも効果を発揮します。

今回の記事では、「とりあえず」精神が働く仕組みをわかりやすくするため、便宜上これを2点の要素に分け、各要素の働きを固定して説明しています。

 

まとめると、「とりあえず」精神からの行動が有効な理由は以下です。

 

①やらないよりは「やる」ほうが前進できる

 

考え過ぎたり高い目標を設定したりして「面倒」や「不安」といった「マイナスの感情・気分」を強く感じ始めた場合、考えれば考えるほど、行動に移せなくなってしまいがちです。

ですが大半の場合、「まったくやらない」よりは「やる」ほうが前進できます。

 

「とりあえず」の行動で起こる「失敗」は、ほとんどが挽回が可能な「小さい失敗」です。そこで得られる気づきや学びを「次に生かす」ことは成長するうえで不可欠なので、「現実思考」を前提としている限り、「失敗=後退」ではありません。

 

*「失敗」について、詳しくはこちら

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いつまでも保留にできるような行動であれば別ですが、それ以外の場合、「先のばし」の「楽」は一時的なものです。

「とりあえず」で考え過ぎず、無理のない範囲で行動するほうが、長期的には「楽」かつ、「前進」もできます。

 

心身ともにリスクを抑えて継続するには「それ以外にない」

 

「面倒」や「不安」などの「マイナスの感情・気分」を感じていては、仮に行動できたとしても長くは続けられません。

 

無理をすれば「速く」「一気に」成長できるかもしれませんが、リスクも上がってしまいます。つくられる「マイナスの感情・気分」の強さから体調やメンタルを崩したり、取り組みのハードルが高まることで継続できなくなっては本末転倒です。

 

「現実思考」で考えるなら、ときにもどかしい気持ちになったとしても「とりあえず」と思えるくらい「無理のない範囲」で取り組む、つまり「自分のペースでやっていく」ことが継続の基本です。

 

他人と比べて「進捗が遅い」「目標が低い」と自己嫌悪する必要はありません。それで「無理のない範囲」が広がるわけではありませんし、つくられる不要な「マイナスの感情・気分」がパフォーマンスを下げてしまうからです。

 

*詳しくは、こちらの記事「②『努力』や『成長』ができなくなるのでは?」にて説明しています!

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③「先のばし」や「無理してやる」よりも「楽」で「楽しい」

 

「無理をしてやる」ことはもちろんですが、先のばしにして「やらない」こともまた、「焦り」や「罪悪感」といった「マイナスの感情・気分」の原因になり得ます。

 

「先のばし」は一時的に「楽」な側面もありますが、いつまでも先にのばしていられることばかりではありません。

また、「行動」や「挑戦」がないと、「プラスの感情・気分」がつくられにくいため「退屈」「満たされない」と感じるようにもなりかねません。

 

モヤモヤと悩み続けるよりは、「とりあえず」で行動したほうが「楽」で「楽しい」。

その理由は、考え過ぎず、無理のない範囲で取り組むことで、つくられる「マイナスの感情・気分」を抑える一方、「達成できた」「楽しい」といった「プラスの感情・気分」をつくることが可能なためです。

 

「できる、できない」で思い悩み、先のばしにしている状況から、「とりあえず」精神によって「どうすればできるか」「できることは何か」という視点に切り替え、ひとまず行動に移す。

思考するための時間やエネルギーは「有限」なので、そのほうがより建設的です。

 

現時点での私も「先のばし」してしまうことは多々ありますが、カウンセリングを受ける以前よりは頻度が格段に減りました。

「とりあえず精神で行動!」は万能ではありませんが、学べてよかったと思っています。

 

*先のばしの一因となる「マイナスの感情・気分」は、「現実思考」でない考え(認知の歪み)によってつくられている場合があります。「マイナスの感情・気分」は体調やメンタルを崩す原因にもなるため、「現実思考」を前提に減らしていくことが大切です(関連記事は以下)。

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4. 「休息」と「とりあえずで行動」をバランスよく

 

本記事では、「『先のばしグセ』の対処法」をテーマに、カウンセリングで学んだ内容をまとめてきました。

 

やる必要があることの「先のばし」はもちろん、特に期限はないものの、本心で「やりたい」と思っている行動を先にのばすこともまた「大損」です。本心とのギャップから、「不満」「つまらない」といった「マイナスの感情・気分」がつくられてしまいかねないためです。

 

「先のばし」に対しては、考え過ぎず、無理のない範囲で「とりあえず」行動に移していくことが大切です。

 

一方で、最後につけ加えておきたいのは、「先のばし」は必ずしも悪いものではない、ということです。

 

「とりあえずで行動」を起こし続けていくためには、前提として、「楽しみ」や「睡眠」といった「エネルギーの充電時間」を確保することが欠かせません。

エネルギーが枯渇していては、どれだけ小さな行動であっても「とりあえず」とは思えず、困難にすら感じてしまうためです。

 

「先のばし」対策には「とりあえず」精神が有効ですが、それはあくまで「休息」の時間がきちんと取れている前提での話です。

 

常に「とりあえずで行動」をし続けるのではなく、合間に「休息」を挟む。

この「休息」は、マイナスの意味での「先のばし」ではありません。「自分のペースでやっていく」ために必須の「先のばし」です。

 

 

共感する名言 / 本の一節

①樺沢紫苑『ストレスフリー超大全』

実は、脳に「やる気のスイッチ」があります。しかし、脳の「やる気のスイッチ」を、「オン」にするには少し時間がかかるのです。
脳の「やる気のスイッチ」は、「側坐核(そくざかく)」という部分にあります。「側坐核」に「ある程度の強さ」の刺激を与えると活動をはじめ、「やる気物質」であるドーパミンの分泌が促され、そこから「やる気」が湧いてきます。

(p.174)

まずはじめることで、側坐核が興奮し、やる気のスイッチが「ON」になる!

(p.174)

*「とりあえず」で始めることの有効性は、科学的にも裏づけられているようです。以前は「それができれば苦労はしない」と思っていましたが、「とりあえずで行動」を積み重ねるうち、経験的に納得しました。行動を起こしてしまえば「意外とできる場面が多い」とわかると、次回のハードルが下がります。この好循環を維持・強化していきたいです。

 

 

②樺沢紫苑『アウトプット大全』

難易度とドーパミンの関係でいうと、難しすぎても簡単すぎてもドーパミンは出ません。がんばればなんとかなりそうだ、そんな「ちょい難」の難易度の課題にチャレンジするとき、ドーパミンは最も分泌するのです。
ドーパミンが分泌するということは、集中力、記憶力、学習能力が高まり、自己成長が最も進むということ。(略)3段階くらいに分けて、少しずつ難しい課題に挑戦していくことで、徐々に自分が成長、レベルアップできるので、結果として大きな課題をクリアすることができるのです。

(pp.204-205)

*①と同じく、カギとなるのは「ドーパミン」という脳内物質。集中力アップや自己成長のためには、「ちょい難」なチャレンジを繰り返すことが最適だという内容です。この「ちょい難」は、「無理のない範囲(自分の不安が40%以下)」と似た意味合いだと思います。「安心」でも「強い不安・恐怖」でもなく、「できるかな?」というかすかな不安、できれば「ワクワク」を感じられるくらいの目標設定を心がけようと思います。

 

 

③J.D.サリンジャー『フラニーとズーイ』

「アーティストが関心を払わなくちゃならないのは、ただある種の完璧を目指すことだ。そしてそれは他の誰でもない、自分自身にとっての完璧さなんだ。他人がどうこうなんて、そんなことを考える権限は君にはないんだ。本当にその通りなんだぜ。そんなことにいちいち頭を使うべきじゃない」

(p.287)

*私は「完璧主義」の傾向が強くあるので、根をつめて無理をしたり、細かい部分を気にして「マイナスの感情・気分」感じたりしてしまいがちです。何事も「完璧」にはなり得ず、改善の余地は尽きないので、(明確な基準がある場合を別にして)基本はいい意味で「適当」に、最高でも目標はあくまで「(その時々の)自分にとっての完璧」にしようと感じました。忘れがちですが、自分の「時間」や「エネルギー」には限りがあるため、「使いどころ」の見極めは大切です。

 

 

④ジェイン・オースティン『説得』

「あまり詩ばかり読まないほうがいいのではないでしょうか。詩に溺れすぎると危険なことになります。そこに詩の不幸があるのではないかと思います。強い感情だけが、詩のほんとうのすばらしさを理解できるのであり、強い感情だからこそ、節度をもって詩を味わうことが大切なのではないでしょうか」

(p.168)

*「強い感情」と同じく「完璧主義」も諸刃の剣だと考えます。それで時間やエネルギーを見合わない形で消耗しては損なので、「完璧主義」の利点を最大限に発揮できるよう、上記の一節にあるように「節度をもって」ここぞという場面を見極めて活用したいです。

 

 

⑤アガサ・クリスティー『アガサ・クリスティー自伝(上)』

「それで、どのモモがよろしい? さあ、いいのをお取りなさい」
「すみません」わたしは細い声でつぶやく、「わたし、いちばん大きくて、いちばん最高ベステストのがいいです」
 爆笑がおきる。まったく気がつかずにわたしは冗談をいったらしい。

(pp.92-93)

*私の大好きな作家、アガサ・クリスティーの子ども時代のほほえましい思い出です。なにが「正解」かわからなくても、自分にとってのperfect(完璧)の基準さえクリアしていない場合でも、「とりあえず」精神でいまのbestest(いちばん最高)を積み重ねていきたいと思います。

 

 

今回は以上です。

読んでくださってありがとうございました!

 

 

<今日のISSEKI>

 

考えすぎず、無理のない範囲(自分の不安が40%以下)で「とりあえず」動く。