ISSEKI

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認知行動療法で「生き方」を変える! 学び【2】カギを握るのは「自分の解釈」。感情・気分が生まれるメカニズム

 

本記事は、筆者が認知行動療法のカウンセリング(120時間以上)で得てきた「学び」を、整理・凝縮してまとめたものです。

 

「自分を変えたい」と漠然と(または真剣に)思ったことのある方へ!

生きづらさを解消し、豊かに生きるための一助となれれば幸いです。

 

【注意】

以下は個人的なカウンセリング記録のノートを元にまとめたものです。筆者は「認知行動療法」を専門的に学んだわけではなく、正確な解釈をし損ねている恐れもあります。あくまで「個人的な知見」「ご参考まで」ということでお願い致します。 

 

目次

 

 

【本記事のポイント】

  • 感情・気分をつくるのは、「自動思考(認知)=自分の解釈
  • 感情・気分は「現実思考」と「自分の解釈」でコントロール可能
  • 認知行動療法では、現実思考でない解釈(=認知の歪み)を現実思考で「解釈し直す」ことにより、マイナスの感情・気分を減らす(あるいはプラスの感情・気分を増やす)

 

1. 「感情・気分」が生まれるメカニズム

 

認知行動療法では、感情・気分を左右するのは「場面・状況」ではなく「自動思考(認知)=自分の解釈」だと考えます。

 

「感情・気分」を、以下のような流れで生まれる(つくられる)もの、と捉えているからです。

*流れと用語の説明は、先生からいただいた資料を元にしています。

 

「感情・気分」が生まれるメカニズム

  1. 場面・状況
  2. 自動思考(認知)= 自分の解釈
  3. 感情・気分 / 身体的反応 / 行動

*前提として、「自動思考(認知)」には「中核信念」が反映される

 

2つ目の「自動思考(認知)」とは、物事を体験・経験したときに自動的に頭に浮かぶ考え(セリフやイメージ)です。「解釈」や「意味づけ」とも言い換えられると思います。

 

この「自動思考(認知)=解釈」が前向きな場合は「プラスの感情・気分」が、後ろ向きな場合には「マイナスの感情・気分」がつくられます。「身体的反応」や「行動」も同様に、「自動思考(認知)=解釈」の影響を受けます。

*「プラス / マイナスの感情・気分」の定義は以下です。
プラス:できるだけ持っていたい感情・気分(楽、楽しい、嬉しいなど)
マイナス:できるだけ避けたい感情・気分(苦しい、悲しい、怖いなど)

 

例えば、「ある人に挨拶をしたのに、挨拶が返ってこなかった」という出来事(場面・状況)があったとします。

 

その事実に対し、以下のような考えが「自動思考(認知)=解釈」です。

  • A: 聞こえなかったのかな(次は声を大きくしよう)
  • B: 無視された!(私は嫌われている)

 
出来事の解釈が、Aの「聞こえなかったのかな(次は声を大きくしよう)」なら、マイナスの感情・気分がつくられることはなく、次の行動へと気持ちを切り替えることができます。

一方で、Bの「無視された!(私は嫌われている)」という解釈をした場合、「悲しみ」や「怒り」などのマイナスの感情・気分がつくられてしまいます

 

以上の例のように、「感情・気分」を左右するのは「自分の解釈」であり、出来事や環境、他人の言動、持っているものなどの「場面・状況」ではない、というのが「認知行動療法」の考え方です。

 

 

2.  「現実思考」と「解釈」で、感情・気分はコントロール可能

 

「感情・気分のカギは『自分の解釈』」と考えることのメリットは、「感情・気分をコントロール(制御)できるようになること」です。

 

もちろん、解釈しだいで「どのようにでも」感情・気分を変えられる、というわけではありません。

ここでも、認知行動療法の大原則「現実思考」を前提とする点は同じだからです。

 

*「現実思考」についての記事はこちら!

isseki-blog.com

 

この「現実思考」をベースに(妥当な範囲内で)「自分の解釈」を置き換えることで、初めて建設的かつ持続的な「感情・気分のコントロール」が可能となります。

 

例えば、先の章で挙げた「無視された!(私は嫌われている)」という解釈についてです。

ここで「嫌われている」ことの客観的な証拠や根拠が挙げられない場合、この考えは「思い違い」や「考えの偏り」、つまり「現実思考ではない解釈」であることが推測されます。

 

この「現実思考ではない解釈」から生まれるマイナスの感情・気分は、事実とは異なる(少なくとも事実とは証明できていない)ために、本来感じる必然性がないものです。

にもかかわらず、最初に浮かんだ「無視された!(私は嫌われている)」という解釈をうのみにし、マイナスの感情・気分を感じてしまうのは「大損」です。

 

このように、反射的に浮かぶ「解釈」に対して受け身になる(流される)と、本来は不要なマイナスの影響(感情・気分 / 身体的反応 / 行動)を受けてしまうリスクがあります。 

 

現実思考をベースに(妥当な範囲内で)「解釈」を変え、感情・気分をコントロールする。より良く生きていくために、このことは不可欠なテクニック(処世術)だと私は感じています。

 

 

3. 「認知行動療法」とは:「認知の歪み」を現実思考で置き換える

 

認知行動療法では、先の章で挙げたような「無視された!(私は嫌われている)」という解釈、つまり「現実思考ではない」思い違いや偏った解釈のことを「認知の歪み」と呼びます。

 

カウンセリングは、一貫してこの「認知の歪み」を現実思考へと適正化していく(捉え直していく、置き換えていく)「練習」だと言って過言ではないと思います。

 

「認知の歪み」からつくられる「マイナスの感情・気分」はそれ自体が苦痛なうえ、限界を超えた場合には生きづらさやメンタル疾患の一因ともなります。

 

「認知の歪み」を現実思考で置き換えていくことで、マイナスの感情・気分を減らすだけでなく、応用的に(現実思考の範囲内で)プラスの感情・気分をつくることも可能です。そうすれば、さらに生きやすい状態になります。

 

「言うは易く行うは難し」の一例かもしれませんが、自分の「自動思考(認知)=解釈」に流されて生きづらさを感じ続けているなら、試してみる価値はあると思います。少しでも身につけられたら一生使える、心強い処世術の一つだからです。

 

 

共感する名言 / 本の一節

 

Testosterone『自分を幸せにする行動リスト50』

 

*「ゲーム」という捉え方が新鮮です。「ちょっとやってみようかな」という気持ちになれます。

 

人生には「解釈ゲーム」という側面がある。

(p. 6)

 

今回は以上です。

読んでくださってありがとうございました!

 

 

<今日のISSEKI>

現実思考をベースに「解釈」を変えれば、感情・気分はコントロール可能。