ISSEKI

「生きてよかった」を追求中。本・認知行動療法・プログラミング(学習)について発信します。

認知行動療法で「生き方」を変える! 学び【3】「解釈を変える」2つのハードル。対抗策:①自問する ②クセづける

 

本記事は、筆者が認知行動療法のカウンセリング(120時間以上)で得てきた「学び」を、整理・凝縮してまとめたものです。

 

「自分を変えたい」と漠然と(または真剣に)思ったことのある方へ!

生きづらさを解消し、豊かに生きるための一助となれれば幸いです。

 

【注意】

以下は個人的なカウンセリング記録のノートを元にまとめたものです。筆者は「認知行動療法」を専門的に学んだわけではなく、正確な解釈をし損ねている恐れもあります。あくまで「個人的な知見」「ご参考まで」ということでお願い致します。 

 

目次

 

 

【本記事のポイント】

  • 「解釈を変える」は簡単なことではない。主なハードルは2つ
  • ハードル①「自分が間違っている」とは思いたくない。対抗策は、自分の解釈の妥当性を「現実思考」で自問し、必要に応じて置き換えること
  • ハードル②「解釈」に影響を与える「中核信念」は、通常、すぐには変わらない。対抗策は、ハードル①の対抗策を地道に続けること。それにより、中核信念が切り替わる(クセづけられる)
  • 「解釈を変える」がそもそも簡単ではないことをふまえ、焦らず、気長に取り組もう!

 

 

1. 「解釈を変え、自分を変える」が簡単ではない2つの理由

 

前回の記事では、以下の内容を詳しくまとめました。

 

  • 「感情・気分」が生まれるメカニズム:カギを握るのは「自動思考(認知)=自分の解釈」。「場面・状況」ではない
  • 感情・気分は「現実思考」と「自分の解釈」でコントロール可能

 

*前回の記事はこちら!

isseki-blog.com

 

ですが実際には、以下の2つの理由から、「自分の解釈を変えて(切り替えて)生き方や自分自身を変える」のは簡単なことではありません。

  • ①基本的に、私たちは「自分が間違っている」とは思いたくない
  • ②「解釈」に影響を与える「中核信念」は、通常、すぐには変わらない

 

それぞれについて、「対抗策」と合わせて詳しくまとめます。

 


ハードル①「自分が間違っている」とは思いたくない


人には基本的に、「自分が間違っている」とは思いたくない、言い換えると「自分が正しい」と思いたがる(思おうとする)性質があるそうです。

 

良いか悪いかは見方によるため、この性質自体が「悪い」というわけではありません。

 

問題は、その「自分の解釈」が仮に「認知の歪み(=現実思考ではない解釈)」であったとしても、「正しい」と考えて(考えたがって)しまう点にあります。

それは本来は不要な「マイナスの感情・気分」をつくり出し、現実的に妥当でない行動やモチベーションの低下へとつながる恐れを含むからです。

 

*「プラス / マイナスの感情・気分」の定義は以下です。
プラス:できるだけ持っていたい感情・気分(楽、楽しい、嬉しいなど)
マイナス:できるだけ避けたい感情・気分(苦しい、悲しい、怖いなど)

 

「自分の解釈」に対して、そもそも「現実的に妥当かどうか」という視点を持たない。指摘されたとしても、「自分が間違っている」と思うことは心理的なハードルがあって難しい。これが「解釈を変える」が簡単ではない一つ目の理由(ハードル)です。


 

対抗策:現実思考で自問し、必要なら「解釈」を置き換える

 

ハードル①の対抗策は以下です。

  • 現実思考で「自分の解釈」の妥当性を自問する(そして必要なら置き換える)

 

「現実思考ではない」解釈を「正しい(=現実・事実)」と考えてしまっている場合、「証拠」や「根拠」を足掛かりとする(重視する)「現実思考」は有用です。

 

以下のような問いかけによって、地道ではあっても着実に「自分の考え」を「現実的に妥当な考え(=現実思考)」に近づけることができるためです。

  • そのように考える(解釈する)根拠は、現実的に妥当か?
  • 似た状況の「他人」に対しても、同じように考えるか?(二重基準でないか?)

 

このように、「現実思考」で「自分の解釈」を照らす(捉え直してみる)ことで、「納得感」を持ちながら「自分の解釈」と「現実(事実)」とのズレを調整していくことができます。

 

*ここでいう「現実(事実)」とは、必ずしも「絶対的に正しい」ことを指すわけではありません。自分が思う「現実(事実)」は、自分というフィルターを通した(枠組みで捉えた)「現実(事実)」なので、誤っている恐れはあります。そのあたりについては、以下の記事(3. 「わかり得ない」からこそ、磨き続ける)にて詳しく取り上げました。

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自分に厳しく「できてしまう」人ほど、「マイナスの感情・気分」がつくられるという苦しい状況にあっても、「正しい(と思う)こと」を固辞してしまいます。「意志の強さ」が裏目に出るパターンです。

ですが「認知の歪み」については、いったん自分の間違いを受け入れ、現実思考に基づく解釈へと置き換えてしまえれば、そのほうが楽です。不要な「マイナスの感情・気分」をつくり出すことがなくなるからです。

 

そのような成功体験を積み重ねることで、もともとは難しかった「自分の間違いを受け入れ、現実思考ベースの『解釈』へと置き換える」がしやすくなり上達もする、という好循環ができていきます。

 

 

ハードル②「中核信念」は、すぐには変わらない
 

「解釈を変える」もう一つのハードルの詳細は以下です。

 

  • 「中核信念」とは、「その人の最も根底にある考え方」で、「絶対的なルール」のようなもの
  • 中核信念は、「自動思考(認知)=自分の解釈」に反映されることが多い
  • 中核信念は、通常、すぐには変わらない(繰り返し「クセづける」ことで切り替わっていく)

 

「自分には価値がない」という中核信念がある場合、例えば「挨拶をしたのに、返ってこなかった」といった場面・状況で、「(価値がないから)無視された」といった「マイナスの自動思考(認知)=解釈」が生まれやすくなります。


その「マイナスの解釈」は、以下のようなマイナスの「感情・気分」「身体的反応」「行動」へとつながる恐れがあります。必ずしもその解釈が「現実(事実)に基づく」とは限らないにもかかわらず、です。これは「大損」だと言えます。

 

  • 不安・悲しみ・怒り(感情・気分)
  • 発汗・腹痛・だるさ(身体的反応)
  • その人には話しかけないようにする(行動)

 

 

対抗策:地道にクセづける

 

ハードル②の対抗策は以下です。 

  • ハードル①の対抗策(現実思考で「自分の解釈」の妥当性を自問する。そして必要なら置き換える)を、地道に続けてクセづける(習慣づける)

 

大まかにはこれまでの記事と同じ結論ですが、上記のことは(最初のうちは特に)簡単ではない取り組みであること、継続によるクセづけが必要であること、それらを「知っている」ことには意味があると思います。

「がんばっているのに変わらない」といった焦りの緩和や、一つの認知の歪み(解釈)を変えられたときの大きな達成・喜びへとつなげることができるためです。

 

「認知の歪み」を現実思考で置き換えることで、そのとき感じる「マイナスの感情・気分」を減らすことができます。さらにそれを続けることで「中核信念」をも修正され、そもそもの「認知の歪み」自体が出てこなくなります。

地道な繰り返しですが、「中核信念」を一度切り替えることができれば、容易に戻ってしまうこともありません。

 

以下は、先生から言われた言葉です。

クセに対抗できるのは、「新しいクセ」だけ。

 

 

2. 「頭ではわかっているのにできない」の理由も同じ

 

例えば、「自分には価値がない」という中核信念がある場合、「自分には価値がある」と無理に「言い聞かせ」たとしても、あるいは誰かに「あなたには価値がある」と言ってもらい、一時はそう思えたとしても、また元に戻ってしまいます。

 

このような「頭ではわかっているのにできない」あるいは「しばらくは前向きになれても、時間がたつと元に戻る」といった現象も、上記のハードル2つが原因で起こっていると考えられます。

 

一つには、「現実思考」で考えることで「納得して」自分の解釈(認知の歪み)を変えられていないため(ハードル①)。自分の解釈(認知の歪み)がそのままなので、そこから生じる感情・気分もマイナスのままです。

 

そして、仮にある場面・状況でハードル①がクリアできたとしても、通常、中核信念がすぐに切り替わることはないため(ハードル②)。

中核信念が修正できていない場合、別の(あるいは似たような)場面・状況では、再び「価値がない」という中核信念に基づく解釈をしやすいです。

 

自分の解釈を現実思考で「納得」して置き換え、その繰り返しで「中核信念」を変える(新しくクセづける)ことで、はじめて「生き方」や「自分」が根本から変わります。

 

 

3. 自分に価値を感じないのは、「価値がない」という信念があるから

 

「ほぼ常に」自分に価値を感じていないとしたら、本質的な原因は「自分には価値がない」という「中核信念」があることかもしれません。

以下のような流れで、ほぼ常に「自分には価値がない」とする解釈をしてしまっている恐れがあります。

 

  • 中核信念で「自分には価値がない」と思っている
  • 基本的には、それ(無価値)を正当化しようとする
  • ほとんどあらゆる「場面・状況」で、「中核信念」を反映した(裏付けるような)マイナスの「自動思考(認知)=解釈」が行われる(認知の歪み)
  • 結果、マイナスの「感情・気分 / 身体的反応 / 行動」が現れる

 

心理的ハードルが高い(ハードル①)ため、自分が「間違っている」ことを立証しようとすることはほぼありません。「自分には価値がある」と考えることを無意識に防ごうとしてしまいます。

結果、「現実思考」ではない解釈をするようになります(認知の歪み)。

そうしなければ、「自分には価値がない」という自分の中核信念を正当化できないからです。現実的に考えれば、「常に」「どの視点から見ても」価値がないものは「ない」ため、偏った(公平でない)見方をする必要があるのです。

 

私がしていた「現実思考ではない」捉え方の例を3つ挙げます。

 

  • 具体例① 自分の短所や劣っている点「だけ」について、他者と比較する。自分の「長所」「人より優れている点」については、他者と比べない(公平に見ない)

 

そもそもの目的が「自分の無価値を正当化すること」なので、あえて自分のできていない点や不足な点を「できている」人や「持っている」人と比較します。

 

ですが、人はほとんどのことが「できない(よくて普通レベル)」であることが「当然」です。「できないところ」を比較していてもキリがありません。

だからこそ、「自分は無価値である」という中核信念の正当化には、「自分が劣っている部分」だけで行われる他者比較が最適なのです。

 

  • 具体例② それどころか、「長所」や「持っているもの」自体を、「持っていない」ものと比べると「大した価値がないもの」と捉える(公平に見ない)

 

「長所」や「人より優れている点」を人と比べないどころか、そもそもそれらは「長所」と呼べるほど大したものではない、と考えていました。それが「他人」の話であれば「優れている点」と認めることができたため、公平な見方ではありませんでした。

 

  • 具体例③ 自分の特徴について、「あえて」マイナスな表現をする。同じ特徴を持った「他人」については、そのような表現はしない(公平に表現しない)

 

例えば、自分の性格の「おとなしい」を「暗い」、「やさしい」を「気が弱い」とするなど、マイナスな表現をして自分をおとしめます。実際には解釈(表現)の幅が存在していても、あえて「自分には価値がない」と結論づけるような表現を選ぶのです。

一方で、具体例②と同じく他人の性格についてであれば、「おとなしい」「やさしい」と表現できました。これは自分「だけ」に厳しい「二重基準」であり、公平な見方をする「現実思考」ではありません。

 

以上のような状況にある場合、上記の対抗策2つによって、「中核信念」を現実思考に基づいたものへと「適正化」していくことが有効だと考えられます。

 

 

共感する名言 / 本の一節

 

*ハードル①関連

①ロルフ・ドベリ『News Diet』

 

あなたの世界観を手放さざるを得ないのは、どんな出来事に遭遇したときですか?

(p.107)

News Diet

News Diet

Amazon

 

*「思い違い」を防ぐ処方箋として、「自分の意見の『反論』を意識的に探すこと」が推奨されています。上記の質問への答えがないようなら、その意見・考えとは「距離を置いたほうがいい」とのこと。納得です。「自分には価値がない」と思っていたとき、「反論」は挙げられなかったと思います。

*私の場合、「自分の現実思考を軸にする」世界観を手放さざるを得ないのは、「まわりの人に大きな損害を与えてしまう状況」や「人生がうまくいかないような状況になってしまったら」です。

 

 

*ハードル②関連

②マーガレット・ミラー 『悪意の糸』

 

「でも、言い訳したり説明したり、それだけではじゅうぶんではないんです。不安を取り除くだけで神経症を治すことはできません。本人が受け入れられる何か代わりのものを提示する必要があります。建設的なアプローチですね。『ぼうや、おいしいグミがあるぞ。だから、防蟻ペーストには手を触れるんじゃないよ』」

(p.142)

 

*現実思考ではない考え(防蟻ペースト:シロアリ対策の薬剤)を手放し、現実思考(グミ)へと置き換えましょう!「建設的なアプローチ」です。


 

今回は以上です。

読んでくださってありがとうございました!

 

 

<今日のISSEKI>

 

自分の解釈を「現実思考」で照らし(自問し)、必要に応じて置き換えていく。

これを気長に続けよう。